シェアハウス存続の危機
ここに住み始めて、早くも2年が経過しようとしている。
賃貸の不動産で2年といえば更新だ。
ここに越して来た時と同じ状態だったら迷う事なく更新をしているのだけど、今はあの時と少し事情が違っている。
グラくんが彼女の家に転がり込んで帰ってこないのだ。(転がり込んでとは少々悪意ある表現なので訂正して、同棲してに変更しようと思う。)
その詳細に関しては割愛するとして、住んでもいない部屋に金は払いたくないもので、その事に関してはいつか、話さなくてはならないと、うっすらみんなの心の中にあった。
「更新」がいい機会で話し合いの場を設ける事になった。
話し合いは、案の定というか、当然のように、グラくんは更新までで、出て行く事が決まり。それまでに他の人を探す事で意見はまとまった。
タダで住む事が出来る家があるのならば、当然のように、出て行きたいだろうし、それを止める事は僕には出来ないし、僕たちはそれをいい事と捉える事にした。(タダで住んでいると書いたが本人の名誉あるので、訂正したい(家賃は払っている可能もある))
とにかく、更新の12月までに誰か入居者を探す必要がある。
うちによく遊びに来る、ノラくんの同級のヨシくんを誘うことに、うちに呼んで、屋上で缶詰をホットプレートで温めてる、宴を催して、うちに越して来てくれと伝えた。「うん」とは「ああ」とか「考えとく」とかそんな曖昧な返事をのらりくらりとするヨシくん。彼は謎の男なのだ。
ー 数日後 ー
ヨシくんに断られた。
理由はよくわからないが、まぁそうなんだろう。
他にあてがあるかと言うと僕には無くて、ノラくんにもないようで、唯一アジさんがあてがあるとの事、引っ越す予定があるという、Aくん。
Aくんは、今の住まいが都心から遠いようなので近々、引っ越す予定だとか。
これは適任とアジさんに運命を託した。
しばらく、たってアジさんから報告が入る、Aくんは別のところに決めたと…。
この頃、更新日まであと1ヶ月を切っている。
1ヶ月も無い中で、引っ越してくる人を見つけるなんて不可能だ!なんで、早く教えてくれないんだ!と思ったが。しかし、引っ越しは割と重要な決断だし、踏み止まるのも無理はない、ましてや、顔も合わせた事ない人達とだ。
知らない人たちと一つ屋根下に住むなんて、相当な冒険やろうだ。
しかして、住民探しは0からの再スタートとなった。
11月22日
更新日まであと9日の夜。
シェアハウスで餃子パーティー
今日は2016年9月3日で、明日は2016年9月4日で餃子パーティをするのです。
明日はうちのシェアハウスに20人くらい集まって餃子パーティをするので、餃子を500個くらい作らなければならないのだけど、仕事が急に入ってしまったので、準備の準備をしなけりゃならないのだけど、つまり、包んだりなんだりは、明日の午前中にすればいいんだけど、買い出しとかは今日やっといた方がいいのだけど、それは、うちの人達に任せることにした。
何かに取り憑かれように餃子について語り尽くす、グラくんが鍋奉行よろしく、餃子奉行と化しているので、彼が陣頭指揮を取って準備をしているころだろうと思う。
時刻は2016年9月3日 13時39分。
日記というものは書かなければ書かないでなんの支障も無いし、書かなかったから心がもやもやするわけでもないので、本来書く必要がない。
必要が無いことをする事はなんと難しいことか!
時刻は2017年10月20日 15時17分
あけましておめでとうございます
最後にブログを書いてから3ヶ月も経ってしまった…。
このブログの中核をなす、「ものづくり」と「シェアハウス」に新たな動きがなかったので書かずにいたら3ヶ月も経ってしまった。
映像制作に関してはいろいろなものに携わったが、コンプラもあるので、大声で言えないものばかりだ。
シェアハウスはマンネリ化が進み、新たなイベントは企画されなかった。シェアハウスが続くと、わがままとしか思えない不満を口にする者もいるが、文章には書かないでおこう。ネガティヴなことは、空気の中に散布して、途端に消えるからいいのだ。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
長く関わっていた仕事が30日で終わったので、31日の朝を爽やかな気持ちで迎える事が出来た。
夕方まで起きては寝てを繰り返し、グラくんとあじさんと共に新宿へ向かった。
一軒目で腹ごしらえをして、ゴールデン街へ、ここの雰囲気は案外好きなんだ。
どこも同じ様な店が並んでいるのでどこでもいいけど、決め手がなくてなかなか入れない、中を覗きながら歩いていると、少年の様な雰囲気の女の子の空中を眺めているかの様な視線、思わず中へ。
なんとなく注文をして、なんとなく会話をする。程なくすると、初老の男性が入ってくる自然と、この男性も会話に加わり新年が近づいてくる…。
年越し蕎麦が配られ、その頃にはお客さんも増えて、蕎麦をすすりながら新年を迎えた。
あけましておめでとうございます。
こうして2017年がスタートしました。
中銀カプセルタワー 写真展に行ってきた
中銀カプセルタワーを知っているだろうか?
建築家の黒川紀章が作り出した、芸術的建築物、中銀カプセルタワー内で撮影が行われた写真展【KazanYamamoto 写真展「中銀カプセルガール」】が行われているので、行ってきました。
有楽町線、江戸川橋駅から徒歩5分の閑静な場所にある Gallery NIW で行われている。
写真展は、2つのエリアに分かれていて、手前のエリアでは、中銀カプセルタワーとはなんぞや?
という事が分かりやすく、写真とキャプションで紹介されている。
ただの紹介写真ではなくて、写真家独自の視点が楽しめる展示となっている。
奥のエリアでは、「中銀カプセルタワー」+「ヌードモデル」という掛け合わで写真が展示されている。
写真家の意欲が伺える魅力的な作品が並んでいる。
中銀カプセルタワーをロケーションに撮られた写真は、写真集にするべくクラウドファンディングが行われている。
写真集の売り上げはカプセルタワーの保・修復に使われる。
https://a-port.asahi.com/projects/nakagin/
中銀カプセルタワー私的考察
中銀カプセルタワーは、老朽化やアスベスト問題で何度も取り壊しが検討されている。2006年には取り壊しが決定していたが、請負業社の倒産により中止になった。
極めて狭い室内。
給湯設備の故障により、お湯が出ない。
空かない窓により、夏は猛烈に暑く、冬は極寒。
と住むには、不利な条件が並んでいる。
おそらく今だったら、いろいろなところから横槍が入って作る事の出ない建築物なので、その芸術的価値も考えて、メンテナンスをしっかりして利益を生み出す建物へリノベーションするべきだと考える。
おそらく、この建物は、修繕するよりも建て替えた方が安く済むので企業が着手しないのだと思う。
この施設を修繕、管理する企業を探すよりも、国や東京都を動かした方が賢明だと思う。
イベントを企画して、認知度を上げることも大事だと思うが、同時に、国や都に呼びかける事が、中銀カプセルタワーを残す事に直結すると考える。
浪江町・古殿町へ行ってきた
お盆なんてどこへ行っても混んでいるし、家でごろごろしているが1番だ!なんて消極的日本人の僕だけど、シェアハウスの住人に使命感にも似た勢いで、旅行を計画されて、旅立つ事になった。
とはいえ行く所が決まっていない…。
日夜、どこへ行くか会議が行われるが、話しは脱線して、旅行計画は何も決まる事なく、中空に霧となって消えて行く。
出発 3日前、ぼくが帰ってくるとあじさんが電話をかけまくっている、聞くと、宿代と足代を浮かせる為に、だれかれ構わずかけているとのこと、暫くすると何やら話がまとまった様子だー。
「明後日行っていい?」「うん」ってどんな奴だよ!
と思ったけれど、特にいいアイデアもなくここまで来てしまっているので、渡りに船で古殿町に行く事に決定した。
ネモの家に行くついでに、浪江町へ行く事も決まった。現在の制限区域がどうなっているのかこの目で見てみたいからだ。
行き先は決まったあとは、足だ。
車は、流石のあじさんでも見つける事が出来ずレンタカーを借りる事に、しかしお盆でどこもいっぱいで借りる事が出来ない。やっと見つけたのが、埼玉のニッポンレンタカー。
電車で埼玉県大宮まで行ってそこから、福島県古殿町を目指す事になった。
8月11日
【シェアハウス→ラーメン凪→往路】
当日朝まで仕事をしていたあじさんは向かう電車で既に限界を迎えている。
丸ノ内線と埼京線を乗り継いで、大宮へ、小腹が減っていたので、駅で見かけた「空飛ぶラーメン」と描かれたポスターの店「凪」へ入る。
朝からラーメンの一杯でもかきこんどかないと気合いが入らない。
いったい空飛ぶラーメンとはどのようなものか。
店先で食券を買って席に着く、左手にある液晶端末で、麺の固さや油の量などを選んで、ラーメンを待つ。
暫く待つと、目の前の上下2列に並んだレーンをラーメンが滑り込んでくる。
回転寿司の要領でラーメンがやってくる、これが「空飛ぶ」の正体だったのだ。ラーメンが空を飛ぶ訳はなく、それは例えだと分かっていても気になってしまうものだ。
そうだよね。こうゆう事だよね。なんて思いながらラーメンをすする。
ラーメンは美味しかったのだけど、空飛ぶを体験出来た時点で半分は終わっていて、味の評価など、もはや、どうでもいい事なのかもしれない。
そもそも料理を味で評価することほど前時代的なことでは無いだろうか。
盛り付け、雰囲気も味の一部と考えていい時代なのでは、ないだろうか、などとラーメン凪に考えさせられながらラーメンを完食し、店を後に、レンタカー屋へ向かうのだった。
車を借りていざ出発、高速にのって少し進んだ所で、ストップ。渋滞だ。
予想はしていた事だけど、こうも動かないと飽きてくる。たらたらと一向に進まない、常磐道。
今話題のアプリ「ポケモンGO」を開くと僕のアバターもゆっくりと歩いている。どこか所在無げだ。
進み出したが尚ゆっくり、する事もなく、家にいるのと変わらない会話をしながら目的地を目指す。
浪江町は制限区域となっていて、昼間の間は、一時的に帰宅が許されていのでちらほらと車の通りはあるが、外を歩いている人は皆無だ。
傾いた家。
除染後の土が入っている大量の黒い袋。
封鎖され荒れ果てた駅。
浪江町で唯一やっているコンビニに行くと、何人も人がいて、ここで営みを続けている人達に、憐れみの目を向けてしまう。
僕たちよそ者が物珍しさでやって来ている事には、何も感じてはいないだろうが、なんだか悪い事をしているような迷惑をかけているような気持ちになってくる。
震災から4年、目に見えない恐怖は未だそこにあると実感した。
ネモに連絡するとセブンイレブンまで来てとの事。そう古殿町にはセブンイレブンが一軒しかないのだ。コンビニは二軒あるが、うち一軒は20時に閉まる。
ネモと、あじさんは、キャバクラで働いていた時の同僚で、楽しそうにキャバクラ時代の話しに花を咲かせている。
ネモはスタッフとして働いていたキャバクラに母親を連れてくるような狂った一面を持っているのだが、どこの馬の骨ともわからない僕たちに、時にフレンドリーに接して、時にキャバクラの客の様に接する。初対面の人には店員と客の様に接する癖がついている様子だった。
町に二軒しかない、居酒屋「ひょうたん」に連れて行ってもらい。
ネモの家へと向かう。ネモの家は旧家らしく立派な家だった。
家にバーカウンターのついた部屋があり東京では考えられない素敵な空間が広がっていた。
夜勤明けでやって来たあじさんはソファに保たれて既に落ちている。
お酒が飲めない僕も重い瞼と葛藤しながら全身のだるさと闘っている。
同居人のグラくんとノラくん、ネモはギャアギャアと大騒ぎをしているが、僕の頭には文字通りギャアギャアとだけ聞こえてくる。
ギャアギャアの内容はギャアギャアでしかないのだ。
夜が明けてー。
Blu-ray付きの大きいテレビではオリンピックの陸上がやっていて、ネモがピアノを披露している。
それを尻目に外に出ると、四方を山々に囲まれた、街の全貌を知る事が出来る。人は山と山の間に住居を構えるんだなぁなどと思い、道に出ると、蛇がとぐろを巻いている。
おばあちゃんちみたい。
道の駅を目指し出発する。
注文してから1時間以上、料理が来ない中華屋で食事を済ませ、あぶくま洞へと向かう。
あぶくま洞は、有名な観光地で、1時間以上かけて鍾乳洞の洞窟を歩く。
この日はお盆で観光客で溢れかえっていて、ずらずらと列をなして歩く洞窟はなんだか、物足りないものに感じてしまった。列の先に美味しいラーメンでも待っていたら違ったのだろうが列の先には列の終わりがあるだけ。
入った瞬間のヒンヤリした体感がピークで。
あとは凡庸なものに感じてしまった。
何万年の時をかけて作り出された自然の芸術に固唾を飲む予定だったのだが、駐車場に居た誘導係の異様に太った男だけが僕らの印象に強く残った。
前世の罪で醜い姿に変えられてしまった、推定体重300kgのこの男は、目の前にある、鍾乳洞には入れないだろう。
一生懸命、体をくねらせたところであの狭い洞窟を歩く事は到底出来ない。あぶくま洞で働きながら、あぶくま洞に入らずに、駐車場で一生を過ごすのだ。
この男は、ここまでどうやって来たのだろう、車に乗る事など到底出来ないだろうし、自分の足なんて、数年も見ていないのではないだろうか。
しかし、人間には自分で見れない自分の肉体が結構ある。
尻の穴はもちろん背中も見れないのだ、鏡やカメラなどを使えば見れるのだが、見る必要が無いので見ないで過ごしている。
事実、僕は自分の尻の穴を33年間見た事が無い!そこに星型のホクロがある可能性があると言うのに!
しかし星型のホクロがあったからと言ってどうという事は無くて、誰に自慢する事は出来ないし、見える部分が少ないからと言って何か変わるかと言って何も変わらないじゃないか。
巨漢の男も前世の呪いなど気にせずに今世を満喫してもらいたい。
巨漢をバックミラーに別れを告げて、大宮に向けて走り出す。
予想はしていたが帰りも大渋滞にはまり、6時間かけて大宮のレンタカー屋へたどり着いた。
お盆なんかに旅行するなんて発想は一切なかったが、行ってみるとそれはそれで楽しいもので、それは計画を立ててくれたグラくんのおかげであり、狂気の男ネモにたどりつかせてくれた、あじさんのおかげであり、いつも正しい判断をするノラくんの おかげで、愉快な人たちが居なかったら、この旅行はなかった。
9月末にはネモが東京に来ると言うので再開が楽しみだ。
あの巨漢の男にもいつか再会出来るかもしれない。
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